翼状片手術の歴史は「再発をいかに防ぐか」にテーマが注がれ、未だ100%再発させないという術式は見つかっておりません。
再発を防ぐポイントは、いかに結膜実質のFibroblastの増殖を抑制できるかにかかっています。
個々のDr.が再発させない意匠をこらし、Originalityに富んだ手術を行っています。
当院では極低濃度MMC(マイトマイシンC)の術中塗布を併用することで再発を低頻度に抑えられる術式を行っております。
上方結膜有茎弁移植(Host結膜断端部反転縫合法):
聖路加病院眼科 山口達夫先生の手術法です。再発率を1%台に抑えられています。この術式の優れた点を列挙すると...
@再発率が1%台(山口達夫先生の成績)
A術後の外観がいい
B有茎弁なので結膜がペタッと強膜に貼り付き線維芽細胞の侵入へのバリアとなること
C有茎弁なので結膜の血行が遮断されない
DHost結膜断端部反転縫合により、線維芽細胞の侵入を防ぐ
が挙げられます。
短所を挙げれば....
@手術時間が少しかかる(30分程度)
A抜糸に手間がかかる(糸をたくさん縫うから)
B緑内障手術後または緑内障手術予定の患者さんには適応しづらい
ことでしょうか...
術後の管理も大切です。
山口先生は術後、6ヶ月はステロイドの点眼を行い、再発した例については、ステロイド点眼によりFibroblastのActivityを抑えつつ、最低1年以上待って、再手術を行うべきであること
を強調されております。
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